garamanのマジック研究室

カードマジック大事典

長らく日本のカードマジックのバイブルといえば「カードマジック事典」でしたが、それを塗り替える一冊が刊行されました。日本のマジックは、長いあいだ海外の真似をしているようなところがありました。完全に真似しきれればゴールという雰囲気が暗黙のうちにあったのではないでしょうか。そんな時代に事典を編纂するなら、海外の作品を多数簡潔に説明するという事を目指すものでしょう。それを高木重朗氏が中心となって実現したのが「カードマジック事典」で、それは素晴らしい業績でした。しかし、そろそろ日本マジック界も新たな境地に向かって船出をしているところです。クラシック作品をただ真似るのではなく、しっかりとした土台として身につけたうえで、オリジナリティーを発揮していく必要があります。

では、そんな新しい時代に必要とされる事典とはどんなものでしょうか?クラシックとして残っている作品群を解説するのはもちろんですが、単に作品の百科事典として紹介するのではなく、実際の観客を前にしてマジックを生み出すための道具として解説する事が有用です。これは高木氏が実現した事よりももっと大変な作業だと思います。そんな偉業を果たしたのが、この「カードマジック大事典」です。これから本気でカードマジックの世界に足を踏み入れたいという人には、迷わずこの本をお勧めします。

700ページ近い大冊で、うち150ページ程は技法の解説で、500ページ程が奇術解説です。技法編では流行りのテクニックではなく、古くから使われていて今も生き残っている、つまり実績のある技法ばかりが取り上げられています。実用的なものしか載っていませんので、無駄なくスキルを高めていけるでしょう。奇術編では300近い作品が取り上げられていますが、そのほとんどに出典が明記されています。原案者の名前だけでなく、発表された本や雑誌などが明記されていますので、原典にあたりたい人にはとても頼りにります。

宮中 桂煥
東京堂出版

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